人生最大の断捨離をした後に起きたこと

ミニマルライフ

ミニマリストのような暮らしに憧れて、「もっとモノを減らして生活できないか」と日々悩みながら生活している筆者ですが、実は数年前までは不要なものを溜め込んだごちゃごちゃの部屋で長いこと生活していました。

8年前、私の人生で最大規模の断捨離をして身の回りのモノを一掃してみたところ、そこから今も続くほどの大きな影響があったので、私が実際に感じた断捨離によるマインドや生活の変化や、その経緯などをお話ししたいと思います。


マットレス上で生活する一人暮らし

20代の時、1Kのマンションの部屋で一人暮らしをしていた私。

当時は初めての一人暮らしで「部屋にこんなデコレーションしたい!」「こんな物も置いてたらおしゃれかも」という先走りした願望によって、お洒落そうなアイテムを買い揃えてはとりあえず並べてみたり(逆にダサい)、プレゼントで人から貰った未使用の石鹸やキャンドルや謎の小瓶なんかを「見た目が可愛いから」とあちこちに飾ってみたりとした結果、全体的にまとまりが無くなんだか落ち着かない部屋になってしまいました。


狭い部屋だったので、あっという間にスペースも無くなり、寝るのもくつろぐのも作業するのも全てマットレスの上で生活するような状態。

食事する時はマットレスに座ったまま、横に寄せたミニテーブルに食器を置いて食べていました。

クローゼットなどの収納スペースが無かったので、100均で売ってるような安い収納ボックスに服を詰め込んでベッドの下に押し込んだりしていたのですが、それもだんだん面倒臭くなってついにはカゴにぐちゃっと放り込んだり、開けっ放しの部屋のドアに掛けるようになったり・・・。

そういえば、本棚を1段ずつ使って、テレビ、録画機器、スピーカー を縦に置くという無茶苦茶な家具の使い方をしたりなんかもしてたなぁ・・・。


貧乏生活だったので住む部屋が狭いのはしょうがないのですが、物が溢れていたせいで余計に息苦しさの際立つような部屋で生活していました。
今思うと、その当時はなにかとトラブルに巻き込まれたりすることも多く、あまり運の良い時期では無かったです。


断捨離のきっかけは “あの本”

そして、私が断捨離をするきっかけになった本とは。

日本でも話題になりましたが、今や世界中に有名になった、こんまりさんこと近藤麻理恵さんの著書「人生がときめく片付けの魔法」です。

「物に触れた時のときめき」という表現や、「物に感謝をして手放す」といった、日本人の感性や意識にしっくりくるものが多く、少しスピリチュアル的でキラキラな表現もありますが、前向きにポジティブな気持ちで片付けに取り組みたくなるような内容でした。

BOOK OFFで見つけて「この本なんだか話題になってたし、ちょっと読んでみようかな」と思い、手を伸ばしたのがきっかけですが、読んでいる途中からそわそわとしてきて「これを読み終えたら早速片付けを始める!」と意気込み出し、「片付け祭り」を実行する計画を立て始めたのです。(気持ちが高まっているうちにすぐ実行したのは何より正解でした!)


私が現在ミニマル生活を目標にするようになった理由はいくつかありますが、断捨離の力を実感した最初のきっかけでもあるので、”Natyの人生に影響を与えた本 TOP5”に挙げたいくらい衝撃の1冊です。


人生最大の断捨離を実行してみる

当時20代前半だった私は、こんまり先生の本を読んで早速、人生初の大規模な断捨離を開始。

本に書いてあるようにまずは洋服から始めてみたのですが、元々そんなにファッションにこだわりがあるほうではなかったので、「大したことないだろう」と思い、持っていたすべての服を家中から引っ張り出して1か所に集めてみたところ・・・びっくりを通り越してドン引きでした。

ブランド物や高価な服に興味はないものの、プチプラに惹かれるばかりに「安いから」という理由でなんとなく買ってしまった中途半端な服が次から次へと出てきたのです。

どんなにプチプラだったとしても積もり積もればそれなりの金額になるし、買っても着なければ何の意味のないものなんだなと実感し、ひどく反省。


心を鬼にして片っ端から捨てるものを選んでいくと、最初は少し心苦しかったものの、だんだん「捨てる」ことへの迷いがなくなっていき、気持ちよくなっていくという現象が起き始めました。

特に「気に入っててどうしようか迷ったけど・・・捨てると決めた!」という経験を一度得ると、次に同じくらい迷うものが出てきた時に「さっきのお気に入りも捨てれたんだから・・・これも捨てます!!」というような謎の自信が生まれてくる。

感情が高まっているうちに一晩かけて一曲完成させてしまうアーティストのように、勢いというものに乗って一気にやってのけてしまうことが断捨離をする上で大事なんだなと感じました。

服の断捨離が一通り終わって、大量のゴミ袋を見る頃にはすでに脳内がだいぶハイになっています。


家中のものを手に取ってはゴミ袋へという作業の繰り返しをしているうちに、だんだん過去の自分を正座させて「なんでこんなものを買ったんだ」と叱りたくなるような感情も芽生えてきます。

一つ一つの値段がそんなに高いものではなかったとしても、捨てるものを全部集めてみると「自分がいままでどれだけのお金を、無駄なものに費やしてきたんだろう」と嘆きたくなるほど、無意識のうちにお金を使っていたことに気づくからです。

「これらをすべて買ってなければ今頃ヨーロッパ旅行にでも行けてただろうな」なんて思いながらも、同時に「今度からよく考えて物を買おう」という新たな意識が生まれました。


しかし一番最後に手をつける思い出品にはだいぶ苦労しました。

人から貰ったプレゼントなんかは、その人の気持ちを思うと捨てるのも申し訳ない・・・でも実際には貰ったきりでほとんど使ってないものも結構ある・・・。

そんなときは、「プレゼントをくれた という行為=その人の気持ち を既に受け取ったのだから、物が無かったとしても、相手に対する感謝をちゃんと胸の中に残しておけばいいんだ」と、無理やりポジティブに考えることで、踏み出すことができました。

写真や手紙などの思い出も同じで、大事なのは物をとっておくことではなくて、その気持ちを大切にして、心に刻んでおくこと。


結果、自分が本当に気に入ってるものや、今後の人生にも残しておきたいと思えるものだけを手元に残し、どうにか所有物の3分の2くらいの物を捨てることに成功!

それまで物に覆われて見えていなかった床や広がったスペースを見て、なんだか新しい生活の始まりのようなフレッシュな気持ちが沸いてきました。


断捨離をした直後に起きた変化 3つ

ショッピングをしなくなる

まずは何より、意味も無くふらりとお店に入ってみたり買い物に行く ということが無くなりました。

断捨離によって、自分自身がドン引きするほとに「今までどれだけのお金を無駄なものに費やしてきたんだろう・・・」という気持ちが山積みのゴミ袋を前にして芽生えたからこそ、「単純にもったいない!これ以上、余計なモノにお金をかけたくない!」という思いが高まり、一切の物欲が無くなったのです。

どうせ買わないと決めているのだから、ただふらっと店に入って商品を眺める行為さえも無駄なので、それまでは時間があれば立ち寄っていたお店も、本当に必要なものがある時以外は近づかないようになりました。

「無駄なお金を使わないためには、店に近づかない」という単純なことですが、改めて意識してみるとお金が貯りやすくなるのを実感します。

もし何か必要なものが出てきた場合も、「本当に必要かどうか」を一度よく考えてから冷静に判断できるようになったのも、大きな変化です。

維持するために意識する

大掛かりな断捨離をして大掃除をした後は、その美しさと気持ち良さのあまり「この状態を維持しよう!」というモチベーションが生まれます。

普段ならすぐに元通りになってしまっていた私の部屋も、断捨離直後の感動が忘れられず、意識的にちゃんと維持するようになったのです。

何事もそうですが、時間をかけたり、気持ちをこめて挑んだ物事というのは、大切にしたくなりますよね。

気持ちが明るくなり運が良くなる

断捨離を通じて、自分の本当に大事なものを見つめ直し、不要なものを「ありがとう」「お世話になりました」の気持ちで手放すことによって、今まで心の中でモヤモヤしていた気持ちが浄化されたように、荷物とともに心が軽くなっていくような感覚がありました。

目には見えませんが、すっきりとした気持ちになるのは間違いありません。
そして、その清々しさによって良いエネルギーが自分自身や空間に流れ込んでいきます。

すっきりとした心で、ポジティブなエネルギーを保っていると、運気も上がりポジティブな出来事を引き寄せるとよく言いますよね。

その当時の私はあまりスピリチュアルなことを意識していませんでしたが、実際に断捨離をしてから気持ちが明るくなり、エネルギーに満ちているのを感じたり運気も良くなったのを実感しました。

逆に汚い部屋で生活していると、ネガティブな気に包まれたり、なにかと悪いことの連鎖になりがちです。


中学生の時、受験勉強を始めるということを知り合いのお姉さんに話した時、「受験勉強を始めるなら、まず一番最初に部屋の片付けをしたほうがいい!!」と言われたことがいまだに記憶に残っているのですが、本当にその通り。
散らかった部屋にいると頭もすっきりしなければ何のモチベーションも起きないんですよね。

今でも「なんかやる気がおきないな」という時は、まず部屋を片付けたり掃除してみることから始めています。


あれから8年。人生にどう影響したのか?

あの人生最大の断捨離から約8年ほどが経ちました。

断捨離の規模はあの時が最大でしたが、何よりあの時にかなり大量に物を減らしたおかげで、あれ以上の大掛かりな断捨離をすることは無くなり「見直し」程度のプチ断捨離で済んでいます。

時間を置いてみると、以前は迷っていたものも意外と吹っ切れるようになるものです。

また、趣味や環境が変化すると、いつの間にか物が増えがちになってしまうので、気づいた時には定期的に物を減らすようにも意識しているのですが、最近は気軽にフリマアプリで出品できるようになったのでよく活用しています。
お小遣い稼ぎになる以外にも、高かったものや気に入ってた物をゴミ箱に入れるのは少し心苦しいですが、他の誰かの為になるなら嬉しいですよね。


今から4年前に、あの当時住んでいたアパートを退去してそのまま長期のバックパッカー旅行に出たのですが、長期のバックパッカー旅というのはまさにミニマリストを目指すにはもってこいの修行とも呼べるものでした。


長く旅をしていると途中であれもこれもと物が増えますが、増えれば重くなるし持ちきれなくなる。

全部持って行きたくても、バッグを背負ったら重くて動けないし、飛行機で荷物の追加料金は取られるし、結果自分の首を絞めることになってしまう・・・。

その時その時で「今どうしても必要なものは何か」を判断して荷物を減らしたり見直したりと、自分にとって本当に必要なものをよく考えなくてはいけないので、まさにミニマル修行。


そこで学んだのは、ミニマルのマインドに慣れてくると、だんだん「執着心」が無くなるということ。

モノへの執着が減り、それは次第に精神的な「執着」にも影響していくことが分かりました。


・・・かなり仏教的なまとめ方になりましたが、最終的にはすべての執着を手放してこの世を去れたら最高。(悟りをひらくことになりそう)


とはいえ、私もまだまだ自分に対して甘い部分も多いので、これから一生かけてじっくりと「本当に必要なもの」を、何度も再確認しながら生きていきたいと思います。


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