2018年。私がキューバ人のパートナーとの結婚について調べていた時に、最も知りたかったのが、この情報でした!
キューバ人と、日本で結婚する場合 の記事は見つかるのに、キューバで結婚する場合 の詳しい記事が少ない!(特に最近の記事が少なかった・・・)
キューバ国内で結婚する予定の方、
それから(少数かと思いますが)キューバに住む予定の方、
この記事では、日本人/キューバ人婚約者がそれぞれに準備する 国際結婚や永住権申請に必要な書類の取得方法から、キューバ現地での婚姻手続き完了までの流れ を、私たちの実際の経験をシェアしながら、出来るだけわかりやすくまとめてみました。
また、結婚後のキューバの永住権申請についての情報は、別の記事にもまとめて載せてあるので、必要な方は併せてご参照ください!
※この記事の内容は、2018年 時点での内容です。
必要書類等は、場合によって変更する場合がありますので、公式の最新情報は、念のためキューバ大使館のHP等で確認してくださいね。
キューバ共和国大使館領事部
電話番号:03-5570-4481
キューバ大使館領事部 HP
(午前中はいつも窓口の方がお一人で全ての対応をしているようで、忙しいと電話が繋がりづらいのですが、午後一番は時間を取って対応していただけることが多かったです。)
日本での準備
① 戸籍抄本(または戸籍謄本) の取得
■場所:本籍地の役所
■料金:1部 450円くらい (役所によって異なる可能性あり)
■期間:即日
■理由:キューバで提出する際に、“Certificado de Nacimiento”(出生証明書)の役割を果たします。
・自分の情報がきちんと載っていれば問題無いので戸籍抄本で十分です。
※注意1:キューバで結婚後、3ヶ月以内に日本に帰らない という方は、追加でもう1部取得しておいてください。キューバに着くまで使わないので、この1部だけは予め保管しておきましょう!(使い道は一番最後に出てきます)
※注意2:永住権の申請にも1部必要になるので、永住権も申請予定の方は合計で3部取得してください。
② 婚姻要件具備証明書 の取得
■場所:法務省、または市役所
(私は本籍地の市役所で、戸籍抄本とまとめて取りました。)
■料金:1部 300円
■期間:即日
■理由:キューバで提出する際に、”Certificado de Soltería”(独身証明書)の役割を果たします。
※注意:日本で取得できる ”独身証明書” と、”婚姻要件具備証明書” は別の書類となるので、必ず ”婚姻要件具備証明書” の方を貰ってくださいね。
③ 戸籍抄本と婚姻要件具備証明書のスペイン語訳 作成
■料金:0円~ 翻訳業者による
(私はココナラを利用し、2,000円でした)
・書類はWordなどで作成すればOK。
・ご自身で翻訳するのが難しい方は、プロに頼みましょう。
翻訳の料金は、会社や人によって様々ですが、私はココナラというサービスを使って、スペイン語の翻訳が得意な方にお願いしました。
一般の翻訳会社よりずっと安いのに、迅速かつ高クオリティな対応でした!
※注意:書類に宣誓する文言を追加しておくのと、サインをする為の余白を残しておくのを忘れずに!(次の④の作業で必要になります。)
宣誓文の見本
日本語→スペイン語の翻訳なので、一部訂正する必要がありますが、このような文言を追加する必要があると公証人に言われました。
私も自信が無かったのですが、宣誓文の書き方については、実際に次の手順 ④ で行く公証役場の方に直接相談することをお勧めします!
④ スペイン語に翻訳した書類の認証
■場所:最寄りの公証役場
■料金:1部 11,500円(戸籍抄本の訳文・婚姻要件具備証明書の訳文、それぞれ別で認証が必要です。)
■理由:個人で作成した翻訳文は、そのままではただの紙切れ同然で何の効力もありません。公証役場での認証 + 外務認証 をしてもらうことにより、国外で有効な書類となります。
・翻訳文に添えた宣誓文の下に、公証人の目の前でサインをし、公証人の認証印が押された書類と一緒にホッチキスで綴じて返却されます。
内容を間違えたり、ホッチキスを外すとすべて無効になってしまうので注意!
※注意 1:私の最寄りの公証役場では、キューバで提出する書類だと説明したところ、外務省の公認証明のついた認証文書を作成してもらえたので、この翻訳文に関しては⑥の手順が不要でした。外務省で追加の認証が必要かどうか、不明な場合は公証役場で確認しておいてください。
※注意 2:キューバ大使館からは、原本のコピーを一緒に綴じるようアドバイスがありましたが、これは翻訳文と原本を一緒にホッチキスで綴じないようにする為なので、必須ではないとのことです。公証役場によっては、原本のコピーが必要になる可能性もあるようなので、こちらも公証人に直接確認してみてください。
※注意 3:2種類の翻訳文 それぞれ別で認証が必要ですが、永住権申請者の場合は、戸籍抄本の翻訳文が2部必要なので、計3部(34,500円)となります。
⑤ 犯罪経歴証明書 の取得 (※永住権申請者のみ)
■場所:居住地の警察本部
■料金:警察署での申請は0円
(キューバ大使館からのレター発行が必要な場合 8,400円)
■理由:キューバでの永住権申請に必要になるので、申請しない方は飛ばして次の手順 ⑥ へ!
■期間:申請から受け取りまで1週間でした。
■持ち物:警察署によって用意する物が異なるので、事前にお住いの都道府県の警察署に確認してください!
※注意 1:受け取った証明書は、自身での開封が禁止なので、
(1)外務省の認証がされているか
(2)証明書の内容にはスペイン語訳が記載されているか
この2点を警察署の人に確認しましょう。
(外務省印が押されてない場合は⑥で書類を封筒ごと外務省に持って行きましょう。)
※注意 2:私の申請した神奈川県警察署では、免許証、パスポートの他に、「提出が必要な国の公的機関が発行した ”犯罪経歴証明書が必要な理由” を示した書類」が必要でした。(めんどくさい・・・)
もちろんキューバからは日本にそんなものを郵送してもらえないので、最終的にキューバの大使館からの正式なレターでもOKとのこと。
キューバ大使館に相談すると、費用8,400円で領事のスタンプの押されたレター(スペイン語)を発行してもらえました。
⑥ 役所で取得したの書類(原本)の公印認証
■場所:外務省(領事移住部 政策課 証明班)
■料金:0円
■理由:せっかく役所で取得した書類の原本も、日本の外では意味を成しません。役所で取得した書類の原本は、外務省の認証をしてもらえば国外でも有効に。
■持ち物:戸籍抄本・婚姻要件具備証明書(それぞれの原本)、パスポート
■期間:申請の翌日に受け取り可能でした。
※注意 1:スペイン語訳した書類と、犯罪経歴証明書に外務省印が押されてない場合に限り、こちらも一緒に持って行きましょう。
※注意 2:永住権申請者は、戸籍抄本は2部あるので忘れずに。
※注意 3:直接出向けない方は、郵送による対応方法を要確認!
外務省
電話番号:(代表)03-3580-3311
住所:〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1
外務省ホームページ
⑦ キューバ領事館に全書類の認証をしてもらう
■場所:キューバ大使館領事部
■料金:1認証あたり 15,400円
■持ち物:すべての書類、パスポート
■期間:申請から1週間以内に受け取り可能でした。
・遠方にお住いの方、郵送の方法はキューバ大使館領事部のHPにて記載があります!
・これまで用意して認証してきた全ての書類に、最後にキューバ領事のスタンプを押してもらうことで、ようやくキューバに持っていく準備が整います!
念のため書類が揃っていることを確認しましょう。
・戸籍抄本(原本) + 外務省 認証済み (※永住権申請者は×2)
・戸籍抄本(スペイン語訳) + 公証人/外務省 認証済み (※永住権申請者は×2)
・婚姻要件具備証明書(原本) + 外務省 認証済み
・婚姻要件具備証明書(スペイン語訳) + 公証人/外務省 認証済み
・(※永住権申請者のみ)犯罪経歴証明書(原本、スペイン語訳込み) + 外務省 認証済み
婚姻手続き用:計4部
(※永住権申請用:+3部 (=計7部))
※注意:支払いは事前にキューバ大使館の口座に振り込みが必要になります。
(振込先はキューバ大使館領事部のHP をチェック)
不安な方は、大使館のすぐ近くにコンビニがあるので、窓口で一度確認してもらってから振込みに行っても良いかと思います。
直接でも郵送でも、振り込み明細書も忘れずに、書類と一緒に提出しましょう。
⑧ 渡航の為のツーリストカードを取得
■場所:キューバ大使館領事部
(郵送の場合は、⑦と同じくホームページをチェック)
■料金:2,100円
(こちらも⑦と同じく支払いは事前に振り込みが必要です。)
■理由:これから結婚しにキューバに行く場合でも、現時点でビザを申請する必要がなければ、一旦ツーリストカードでキューバに入国します!
■期間:即日(直接行く場合)
出発日が確定していれば、⑦と同時に申請するか、書類の受け取り時に発行してもらうと良いかと思います。
■持ち物:パスポート、パスポートのコピー、証明写真(5x5cm)、航空券のコピー、滞在先の予約画面コピー + 大使館に置いてある専用の用紙に必要事項を記入し、まとめて提出すればOK!
お疲れ様でした!これで日本での準備は完了です!
私Natyの個人的な感想ですが、どの作業も手間や労力がかかっているし、認証費などで結構お金もかかっているので、「何としても無事に全書類をキューバに持って行く」という重大任務のような気持ちで、最後までヒヤヒヤしていました。
慎重になりすぎて、クリアファイル4重くらいに重ねてからカバンに入れました。w
面倒だしお金もかかるし、全てが終わるまでは心が折れそうにもなりますが、「自分って、彼/彼女 の為にこんなに頑張れるんだな」と思えれば、その経験はきっと愛の証です。
これから先に苦労があっても、きっと乗り越えられるはず!
キューバ人の婚約者が準備しておくこと
ここまで日本で準備しておく内容を書きましたが、キューバで待ってる婚約者にも、必要な書類などを準備しておいてもらうと良いかと思います。
現地の役所などで直接聞いても、適当だったり振り回されることも多いです。
また、基本的にキューバの役所やオフィスは行列で何時間も待たされることが多いので、余裕を持って準備を進めるようパートナーにも協力してもらいましょう!
① Certificado de Nacimiento(出生証明書) の取得
■場所:Registro Civil(キューバの役所)
■料金:1部 5ペソの切手が必要 × 2
・書類1部ごとに5ペソの切手を買って、証明書に貼り付けてもらう必要があります。切手は郵便局で購入します。
※注意:キューバ国内で使用する書類なのか、国外で使用する書類なのかを聞かれます。(日本で外務認証をしたように、キューバの書類も国外へ提出する場合は認証印が必要です。)
キューバでの婚姻に使用するCertificado de Nacimiento(出生証明書)は、国内用で問題ありませんが、後ほど日本側にも1部提出する必要が出てくるので、国内用と国外用 それぞれ1部ずつ取っておきましょう。
キューバでの婚姻手続きが終わってからでも問題ありませんが、この出生証明書のスペイン語→日本語の翻訳文も、1部日本に提出する必要があるので、時間ある時に作成しておきましょう。(認証等は不要)
② Certificado de Soltería(独身証明書) の取得
■場所:Registro Civil(キューバの役所)
■料金:1部 5ペソの切手が必要
・上記の、Certificado de Nacimiento(出生証明書)と同じ場所で取得できるので、まとめて取得しましょう。
・こちらの、Certificado de Soltería(独身証明書)は、国内用の1部だけで大丈夫です!
③ 国際結婚の対応をしてくれる弁護士に相談
キューバでの手続き方法が既に決まっていれば問題ないのですが、まだの場合は事前に相談しておくといいかと思います!
次の章のはじめでも紹介しますが、私たちは Bufete Internacional という事務所で、弁護士の方に手続きをしてもらいました。
さらには、あなたがキューバに渡航する日が決まったら、Primera Firma(1回目の署名)の予約を取っておいてもらえると、到着後スムーズです。(もちろん到着後でも大丈夫です。)費用も確認しておきましょう。
最終的に、結婚に必要な書類の詳細については、現地で担当してもらう弁護士に確認するのが一番良さそうです。
また、現地で結婚式を挙げる予定の方はその準備も、キューバ人の婚約者に協力してもらって事前に進めておいても良いかと思います!
キューバの方式での婚姻手続き
・全ての手続きをを個人で準備することも可能ではあるようですが、あまりに大変なので通常は専門の弁護士に頼むそうです。
最寄りの、Bufete Internacional という国際事務所で対応してもらえます。
手続きを行う場合は、事前に日時を予約しておきましょう。
・現地の国際事務所で、キューバ方式の婚姻手続きする場合、Primera Firma(1回目の署名)、Segunda Firma(2回目の署名)、日を改めて2度サインをしに行き完了です。
・私たちは結婚式は挙げなかったので、この記事では事務所での婚姻手続きの流れのみを書かせていただきます。
① Primera Firma(1回目の署名)
■場所:弁護士事務所
■料金:600〜1,000 CUCくらい?(私たちは745 CUCでした)
1回目のPrimera Firmaでは、手続き費用の支払いと、用意した書類の確認をしてもらいました。
日本から持ってきた書類
・戸籍抄本 × 2(原本・スペイン語訳)
・婚姻要件具備証明書 × 2(原本・スペイン語訳)
それからキューバ人婚約者側の書類
・Certificado de Nacimiento(出生証明書)※国内用
・Certificado de Soltería(独身証明書)
一通りの確認後、問題がなければ2回目の署名の日を決めます。
私はこのPrimera Firmaに、急遽パジャマのような格好で行ったのですが、「次回は正式な結婚の日になるから、おしゃれして来てね!」と言われました 。w
② Segunda Firma(2回目の署名)
この日が正式な結婚の日となります。
■場所:弁護士事務所
■服装:基本的には自由。結婚式のようにドレスアップする人も。
※注意:証人としてサインをしてくれる家族以外の人 2人 を連れていく必要があります!
家族以外の証人が必要だと知らなかった私たちは急遽、彼のいとこのお友達にお願いすることになりました。
(もちろん証人とは別で家族も同伴してOK)
オフィスにて弁護士から説明を受けた後、目の前で結婚の誓いをし、書類にサインをします。
一緒に来てもらった証人の2人にも、サインをしてもらいます。
これで、ようやく二人はキューバで夫婦として認められました!
初めは少しだけ緊張したものの、所々で冗談言ったりみんなで笑いながら、私たちらしく思い出に残る時間を過ごしました。
この日から1週間ほどで、認証印のついたCertificado de Matrimonio(結婚証明書)を発行してもらえます。
婚姻関係を証明できる書類として、今後何かと役に立つかもしれないので、念のためコピーを取っておくといいですよ。
結婚証明書を受け取ったら、いよいよ最後のステップへ!
③ 日本の方式での婚姻手続きも忘れずに!
■場所:在キューバ日本大使館
■料金:0円
やっと結婚の手続きが完了した!と思いきや、最後にもう一つ大事なことがあります。
キューバの方式での婚姻 は成立したものの、日本の方式での婚姻 は、まだ成立していないんです!
キューバの方式での結婚後、3ヶ月以内に日本側にも婚姻届けを出す必要があるので、キューバにしばらく滞在する場合は、日本式の婚姻届・キューバでの結婚証明書・二人の出生証明書を、在キューバ日本大使館に提出する必要があります。
ここでようやく、『日本での準備 ①』で早々に保管しておいた戸籍抄本の出番です!!
ちなみに当時私はこのことを知らず、家族に頼んで書類を日本から郵送で送ってもらいました・・・。
パートナーのCertificado de Nacimiento(出生証明書)のスペイン語→日本語の翻訳も、まだ済んでいなかったら、結婚証明書の発行を待っているこの間に完成させておきましょう!
・結婚証明書(原本 / ※国外で有効な印あり)
・自分の戸籍抄本(原本 /認証印 必要なし)
・パートナーの出生証明(原本 / ※国外で有効な印あり)
・パートナーの出生証明(日本語訳 / 認証印 必要なし)
以上の書類が揃ったら、在キューバ日本大使館にて、日本語の婚姻届に記入をして一緒に提出。
不明な点やアドバイスなど、大使館の方が丁寧に教えてくださりました。
受理してもらった日本語の婚姻届けは、キューバの日本大使館を通して日本側に届くという流れなので、戸籍の反映に少しだけ時差があるとのことでした。
反映されると、日本の戸籍はあなた筆頭の独立した戸籍が誕生し、【婚姻】の情報欄に結婚相手の名前や生年月日、婚姻日や婚姻届を提出した日、等が記載されます。
(外国人には戸籍が作られないので、あくまでも戸籍上は日本人のあなただけがメインになっています。)
これで、キューバと日本の両国で、婚姻関係が証明できる状態となります。
在キューバ日本国大使館(Enbajada del Japón en Cuba)
住所:Centro de Negocios Miramar,
Edificio No.1, 5to. piso,
Ave. 3ra., esq. a 80, Miramar, Playa,
La Habana, Cuba
在キューバ日本国大使館 HP
おわりに
おめでとうございます。
キューバ人との婚姻の手続きは、これで本当に本当に、すべて完了です!
日本人同士なら、紙一枚で即日解決することも、国が違うだけでこんなに大変なのかと、私自身何度も心が折れそうでしたが、今となってはそれも貴重な思い出です。
最初はややこしすぎて、何から始めていいのかわからず、一つ一つ手探り状態でした。
今まさに、あの頃の私と同じ状況にいる誰かの参考になればと思い、自分たちの経験と、わかる限りの情報を一生懸命まとめました。
この記事を読んでくださったあなたが、スムーズに準備を進められて、キューバで幸せな新婚生活を送れることを祈ります。
楽しんでください!お幸せに!
★キューバでの永住権申請についてはこちらの記事へ!